『姫よ 私の声が聞こえませんか。
私はあなたに約束しました。
永遠に生きることを。長い年月、時がどんなに私達を引き離そうと、魂までも引き離すことはできません。私はあなたを待っていました。ずっと待っていました。
この地で生き、永遠の時は必ず訪れることを胸の内で感じていました。だから待てたのです。この地は、私達を失きもののように地に埋めました。けれど、魂はどんなに埋めても埋められるものではありません。魂は、天とひとつであり、天から生まれているのです。
あなたに会える時が近いことを大地は教えてくれたのです。まるで覆われていた雪が解けるように、覆いがとけて、天からの光を受けるようになったのです。
私は、あなたの後を追って、この地に来たのです。荒波を乗り越えた先には、あなたがいると私にはみえていました。真を尽くし生き続けていれば、必ずあなたに会えるとわかっていました。愛を失ったことはありません。たとえどんなに辛い時も、愛が心の中心にあり、耐えられました。時に胸の奥からこみ上げる慟哭も耐えました。風は教えてくれました。あなたがこの地にいることを伝えました。長い年月過ぎましたね。あまりに長い年月耐えましたね。ふるさとの風を心に生きてきました。魂は永遠です。死ですらも、あなたと引き離すことはできません。あなたは、私達の心に光を灯してくれました。永遠に消えることのない光です。会える会えないは、この世のことです。永遠の世界で会えないことの方が、私には耐え難きことであり、おそろしいことでした。
魂は蘇えるのです。蘇える時、会えるのですね。
私の声が聞こえますか。』