アルメニアへ到着した日は、数時間部屋で休み、昼からアララト山がみえる教会へ行きました。のどかな平野に立ち、アララト山を眺めていると、古の時に人と人が支え合い、生きていたぬくもりを感じます。そして何故その幸せな光景を奪う出来事ばかりが現実には起こるのだろうといつも考える疑問が浮かびます。道路端の畑には、スイカが一杯なっていました。ガイドさんがウォーターメロンと言いました。私はスイカが大好きであると言うと、ほしいですかと尋ねられ、すぐにほしいと答えました。畑にいた男の人がおいしそうなスイカを見つけ私に渡してくれました。とても心あたたまるのどかなひと時です。秋のさわやかな風が吹き、美しい青空が広がり、アララト山を眺めていると胸が開かれ、私は元気一杯になりました。ガイドさんは、私のことを驚いた表情でビューティフルと何度も何度も叫びます。私は、長時間のフライトで疲労感もあり、お化粧もほとんどしないで簡単な恰好で出て来てしまったので、何を見てビューティフルと騒いでいるのだろうと不思議でした。ガイドさんが驚き叫んでいたのは、私が風と一つで美しいということを伝えていたのです。自然の光、風とひとつになり、長い髪がたなびき、震える程感動しているのです。その様子と表現から見ている世界が違うことに大変うれしくなりました。元気になり、あちこち行こうとする私を先生はたしなめました。大地には、何があるかわからないので、ドバイの時みたいなことになると大変だからとおっしゃいました。コンサートの重要性を肝に命じ、身を正しました。
コンサートは、その地の歴史も全て明らかになります。又、目に見えない神の世界、悪魔の世界、聖なる世界から、妖怪、魔物の世界まであらわれてきます。コンサートがある事をわかっているように、動き出してきます。全ての解決の場であるからあらわれるのです。アララト山を臨む平野に立つと、大地も木々も鳥も光も風も自然の生命はコンサートに向かい喜び祝福していました。私には祝福の歌と聞こえました。美しい生命賛歌に生命は震え、全身から生まれる無上の喜びに生命は躍動します。全てはこの時を待ち望み、備えていることが私には、支えとなりました。自分の体のことを案じることもなく、自然の生命、全ての存在と共に祈り、コンサートに向かいました。アルメニアの人も待ち望んでいることを肌で感じます。祝福され迎える人類史が変わるコンサートを生命在り経験出来ることに感謝の気持ちよりありません。
コンサート当日、若光王の詩が、これ程世界中に響き渡り伝播したと感じたことはありませんでした。国を失い異国の地に亡命し、生き延びてきたことがこれ程までに共感を得、希望と感じてくれるとは、予想を超えることでした。高句麗伝説が世にあらわれるという言葉が今年年頭の「高句麗伝説」コンサートのアンコールにて生まれましたが、この瞬間の事であるとわかりました。そして、アルメニアにて生まれた大地の声を詩に詠む時、新しい世界が開かれていきました。いよいよ「宇宙の生まれる３段階前の世界によってより答えはない」という詩を詠む時、空間は全て変わりました。先生のあらわす音楽により宇宙の彼方の世界があらわれたのです。私は生涯忘れられない光景を見ました。天が近いアルメニアの地にて舞台の上に立ち夜空を見上げました。すると夜空の向こうにある世界が開かれ見えたのです。何も境も限界もない広い世界です。何の汚れもなく、どこまでも澄み、透明な世界に引き寄せられ、私は場も時も忘れた瞬間、何によっても表わせぬ光を見ました。この生命が真直ぐ光とつながり、私は宇宙の生まれる３段階前の世界、光、新しい世界と出会ったのです。新しい世界は、人間の最も澄んだ美しい光があらわれることを経験しました。平和な世界は成ると、はっきりと示されました。この世界があらわれることなくして世界の平和は実現しなかったのです。いつも世界中にて表現しています「真の自分が輝き生きられる世界は平和な世界」のはじまりです。
アルメニアのエレバンの空港到着後にＴＶインタービューにて、先生は、はじまり、全てのはじまりと何度もおっしゃいました。真にはじまりました。１０月１８日をもって新しい世界は開かれました。これからは全て新しい世界の表現が生まれます。