Keiko Koma Selectionウェブサイトスペイン語版がアップされました。ページを開けた途端、スペインの風が吹きました。ふと蘇えったことがあります。私は、いだきしん先生にお会いした頃、スペイン系と言って頂いたことがあります。当時スペイン語を習ったりもしました。ものにはなりませんでした。私は、辛い時に吹く風によって、いつも今は辛いけれど先があるから生きていけると感じ、生きてきました。その風はスペインの風ではないかと感じていたのでした。
初めてスペインに行った時、確かに私によく似た顔立ちの人がいると多くの人に言われました。グラナダへ行く道中、ロルカの詩を思い出し、何かロマンチックな香りに酔うように、何かに出会えるときめきに胸ふくらませました。グラナダでの夜、レストランでアルハンブラの思い出を奏でるギターの音色は甘く、ロマンチックな香りが漂いました。その甘い香りに浸っていると、私は突然こわくなったのです。この甘い香りの先は、生きていけない世界でした。私が作り上げた幻想の世界に酔い、浸っていると、私は生きていけなくなることを一瞬に見たのです。ましてや、甘い香りに死を感じ、私はこわくてこわくてホテルの部屋で眠る夜は恐怖に震え、とても眠れるものではありませんでした。朝になり、部屋の木の小窓を開けると、美しい花が咲く中庭が見え、生きていることにありがとうと思わず言っていました。私は、死を予感し、恐怖に震えていたのです。けれど、朝を迎えられ、美しい花を見ることが出来ました。私にとり、この心ときめく感覚は、生霊の恋と名付けているものです。心を寄せる人を思う思いが強いと、生霊になって飛んでくるといつも感じてきました。生霊を気にしているうちに、どんどん心を取られていくのです。胸がドキドキし、まるで恋をしているように錯覚します。生霊に恋したら、生命落とすことが目にみえます。生霊は人の思いだからです。幻想の世界で恋をしても、現実の中では生きていけないのです。まるで、魂を奪われ、幻想の世界にいるうちに、この世では魂の抜け殻となって、生きていけなくなる絵がみえ、ぞっとしました。幻想と錯覚の世界に浸っていたら、生命落とすと感じ、私は現実に戻ろうと必死でした。グラナダを後にし、バルセロナへ行きました。空港に着いた時から、生命の内に風が吹き抜け、喜び生まれ、楽しいのです。ふるさとの風でした。地中海に吹く風でした。フェニキアにふれたはじまりでした。もう18年か20年位前のことでしょうか。私は、地中海を眺め、涙を流し、生きていたからここに来れたのですと言ったのです。何か、この時の風を感じたスペイン語版のトップページでした。そして、未来へ吹く風を感じたのです。