KEIKO KOMA

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更新日 2010-04-30 | 作成日 2008-03-30

SZERELEMのCafé ZOOサロン

 桜の花が散り、八重桜が満開の古の街に女王様の香りを手がかりの降り立ちました。何処にいるかはわかります。動物は香りと光はよくわかります。八坂の塔の真下に女王様が作った小屋がありました。私はいつの頃からか紛れ込み、居着くようになりました。中庭では桜の花びらが舞い、女王様が夜の闇の中を天の羽衣を作っています。美しい光景にうっとりします。厨房では神様が豆を煮ています。動物にも人間にも食べられるものを作っておられるのです。厨房には私と似たような少し違うような生き物がいます。皆、二本足で立つ事が精一杯ですが、頭にきれを巻いてはたらきます。神様が作るものは多くの動物が悲鳴を上げて喜びます。時には泣いて食べています。よく聞いていると「ブヒブヒ」とか,「もー」という鳴き声が聞こえてきます。お客様は動物が多いです。神様の作る食べ物の香りをかぎつけ、全国から集まってきます。時々神様は動物の悲鳴に驚き何事が起こったのかと女王様に聞いています。女王様は動物達を叱りに行きます。ここは古の街なのだから、隣近所に気を遣い、声もたてずに皆が暮らしている事、足音も迷惑だから、皆靴を脱いで歩いていることを教えています。靴を脱いで動物は来ていますので、自分達と同じであることにほっとしています。女王様が気にすることをしたくはないのが動物の本能です。しかし此の度はどうしようもないのです。神様が作った食べ物を食べると元気が出て来るのです。叫ばずにはいられません、皆野生に帰るのです。女王様は怒り、動物達に故郷に帰れと叫んでいます。女王様にとっては古の街は女王様の先祖が住んでいたというのです。やっと先祖の地に帰ってきたと喜んでいます。が女王様の行く所、動物達もついてきてしまいます。神様は動物達のためにずっと食べ物を作り続けています。帰るわけにはいきません。私は神様のお手伝いをしています。神様はふるさとの山から来たキリマンジェロコーヒーをいれています。私は神様がいれるふるさとのコーヒーの香りをかぐと、体中が熱くなります。ある日、ふと檻の外を見たくなり、そっと抜け出し、外に出ました。真っ白い粉を塗った着物を来た人が歩いています。車の上に人を乗せて歩いている人もいます。少し歩くと、早い車が何台も何台もビュービューと音を立てて走っています。目が回るようですが、面白くて私は大きな通りに出ました。古の都の人は私の事をみてみぬふりをしています。私は面白くて歩いているとなんと女王様は豚が運転する車から私を見ていたのです。私は女王様に会えて喜んでいると女王様は怒りました。古の都の人が驚くから出てはいけないと言われていた事を思い出しました。何故驚くのでしょうか。古の都の人は私には化け物に見えます。私の方が驚いています。女王様が出てはいけないというのにはきっと訳があるのでしょう。私は反省し、下を向いて歩きました。女王様は「異様な生き物が居ると思ってみると、ヒ−ポッポだった。出てはいけないと言ったでしょう」と怒っていました。私は何故出てしまったのでしょうか。神様のいれてくれたふるさとのコーヒーの香りで体が動いてしまったのです。私は体が動いてしまうとどうにもなりません。古の都に来たのも女王様を追いかけて体が動いてしまったのです。女王様が作った檻の中には神様も入ってこられます。良い香りばかりがします。ここは天国です。私はここで生きていくと決めています。つづく